東日本大震災支援

2011.05.05

被災地の四十九日

全青協では、スタッフが、4月27日から1週間にわたり被災地に入りました。28日は石巻、女川の避難所を支援物資、義援金を携えて避難所となっている寺院を訪問しました。

いずれの地でも四十九日の法要が行われ、女川では仮埋葬の土葬墓の周囲に難を逃れた方々の多くが集まりました。「これでようやく一区切りだね」というおばあちゃんの一言が耳に残りました。グリーフワークを担う宗教の力を改めて感じたところです。

また、石巻渡波の寺院には、亡くなったという娘さんの遺体が、どこにあるのかを探す中年の女性が突然駆け込んできました。遺体が見つからなければ、グリーフワークの端緒にも至らないジレンマも感じました。住職の応えた、「生きていようがいまいがすべてのいのちに供養しましょう」という言葉が、やはり耳に残りました。

いずれにせよ、今、まさに本物の宗教の有り様が問われているのだと、あらためて感じました。日本の仏教が、今、問われているのだとも......。

皆さん、中長期的な視野に立ち、宗教者にできることを積み重ねていきましょう。

30日は、栗原の花山青少年自然の家を訪問し、8月1日から3日まで、サマースクール第一陣の予約をさせてもらいました。気仙沼の子どもたちを対象に開催したいと思います。スタッフの方々がとても協力的で助かりました。

同施設には、南三陸の方々が30名ほど避難をしています。夏までには仮設などに移動にされるかもしれませんが、見通しは不透明なようです。子どもたちが夏休みの間に、2、3回サマースクールを開催したいと考えています。どうぞご都合のつく範囲の中で、みなさんスタッフとしてご参加ください。

翌5月1日は、嵐の中の蔵王におりました。春の嵐といったところでしょうか。2日に、石巻の二次避難所になっている青根温泉の宿舎を訪問して、子どもの遊び道具などの差し入れを行いました。

次回は、5月8日に石巻のお寺で月遅れの花まつりを開催します。また、17日から20日にかけて、避難所となっているお寺と中学校で、子ども会、炊き出しを行う予定です。子どもたちの明るい笑顔に出会えることを、こころから願っています。

全青協では今後も隔週ペースで被災地を訪問し、今現地で必要とされているタイムリーな支援物資の搬入や避難所での子ども会の開催、傾聴ボランティアの派遣などを行っていく予定です。

(J)

被災地の子どもたち 「つながり」こそが回復へのキーワード ―震災によるトラウマのケア―
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