寺子屋ふぁみりあ

2013.03.31

聴くことから始まるコミュニケーション

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平成24年度最終回のふぁみりあは、当法人主幹・てらネットEN世話人の神仁師による「聴くことから始まるコミュニケーション」と題する講演でした。
コミュニケーションの基本は相手の思いを「聴く」ことであり、傾聴の仕方やその意義を理解することによって家庭での親子関係に活かしていただきたいというお話でした。
また、寺ネットEN参加団体・寺院の活動、全青協によせられる電話相談を基にした引きこもりに関するデータ集計などの報告もありました。

講演の要旨

まず、コミュニケーションとは人と人の情報交換であり、互いに正しく情報が伝わっているかどうかが重要です。
これがうまく交換されない状態をコミュニケーション不全といいます。
バーバルコミュニケーション(言葉や話の内容)とノンバーバルコミュニケーション(声の抑揚・服装など)は、後者のほうが情報交換伝達ツールとして約9割を占めており、言葉のもつ意味より感覚が大事だということがわかります。
そのベースに「聴く」という行為があり、情報を受け取る受信機として自身の体・五感を整え研ぎ澄まさなければいけません。
漢字で表すと「聞く」「訊く」ではなく体全体で「聴く」ことによって相手の本心を理解する、それがつまり傾聴ということです。

ワークショップではひきこもり当事者Aさんの手記を神師が声に出して読み、それを聞いてAさんのおかれている状況がどのようなものか5~6人のグループになって話し合いをしました。
状況については資料に10の設問が用意され、あてはまるものを各グループごとに発表、その挙げる数によって自身の特性(物事を受け止めるときの思慮深さや素直さ)がわかるというものでした。

最後は自己開示について少し触れられました。
「ジョハリの窓」を例に、夫婦や親子間では互いにどれだけ開示があり情報共有されているかを知ること、そのうえで今後コミュニケーションをとる際にはまず傾聴し、愛をもったポジティブなフィードバックを心がけることが肝心であると述べられました。
また、男性は自己開示をしない傾向があるため、自身の中にためこまないようにしなければいけません。

適度な自己開示と傾聴によるコミュニケーションが親子の成長につながるのです。

絆をつむいで ~悲しみを粗末にしないグリーフケアの実践からの学び~ 本当のしあわせ
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