あおぞら奨学基金

2021.03.04

あおぞら奨学基金 子どもたちの未来をつなぎたい -震災から10年の今

 全青協が運営している「あおぞら奨学基金」では、東日本大震災で被災した東北三県において、経済的な貧困状態にあるご家庭の子どもたちを対象に、月1万円、年間12万円の返還義務のない奨学金を供与しています。

 まもなく大震災から10年が経とうとしています。各方面からの支援が徐々に手薄になってきている中、新型コロナウイルスの脅威が世界を襲いました。その影響で、たくさんの人々が「日常」を失っています。とりわけ、ひとり親世帯、特にシングルマザーのご家庭ではその就労状況が大きな問題となっています。
 今年度、あおぞら奨学基金ではおよそ300名の公立高校生を支援させていただいております。奨学生の内、半数近くはひとり親世帯のご家庭の子どもたちです。特に母子家庭のお母さんたちの多くは、子育てとも両立がしやすい、シフト制での勤務形態の非正規雇用や時間給制等で従事しています。しかし、現在シフト制を多く採用しているサービス業等では営業形態や営業時間を変更せざるを得なくなっており、そんな非正規雇用の方たちの雇い止めや勤務時間の大幅な短縮が起こっています。
 そんな中、昨年から同基金の運営基盤を支えて頂く「あおぞら奨学基金運営募金」を新たに募らせて頂き、おかげさまで2020年の年間募金目標額の500万円を達成致しました。皆様の温かいご協力に心より感謝申し上げます。

 昨年末にはこちらの運営募金及び歳末子ども支援募金を活用させていただき、母子家庭をはじめ経済的に困難な状況にある奨学生へ乾物や餅、調味料等を詰め合わせた「年越しフードパック」を送らせていただきました。
 また、お寺を場として開催されている各地の子ども食堂を通じて、都市部の生活困窮家庭へも食料品と学用品の支援をさせていただきました。
 奨学生や親御さんからも喜びのお声を頂戴致しましたので、一部ご紹介させていただきます。
 「フードパックをありがとうございます。今年も様々なことに挑戦して頑張っていきたいと思います」
 「食べ盛りの息子が2人もおります我が家には何よりのいただきものです」
 「色々大変な世の中ではありますが、家の子どもたちは健康で元気に通学しております。子どもの成長を一緒に応援していただき、本当にありがとうございます」
 「母子家庭で収入が少ない中、高校生2人を育てております。いつもサポーター様からの温かい直筆のお手紙も有り難く感謝しております。これからも私のようにご支援いただけると助かる家庭がたくさんありますので、末永い活動を願っております。」
 「訳あって親元を離れ、一人暮らしをしている生徒から、『お餅やのりが届いた』と喜んで報告がありました。お正月も親元には戻れない予定ですが、きっと温かいお正月が迎えられると思います」(奨学生の在籍する高校の教諭より)
 喜びのお声をいただいた一方で、ある奨学生のお母様からは、「子どもが修学旅行に行ったら、私の勤め先から『感染が心配だから3週間は出勤しないでくれ』と言われてしまい、収入が減り困っていたため大変助かりました」という、新型コロナウイルスの影響による苦しいお話も聞かれました。

 まだまだ先の見えない状況の中、震災の傷も癒えないまま日々奮闘されている方々が大勢いらっしゃいます。少しでも多くの子どもたちが、それぞれの可能性を手に未来へ進んで行けるよう、あおぞら奨学基金はこれからも積極的な支援を展開していきます。
 今後とも奨学生たちのよりよい毎日のために、ご支援ご協力を賜りますれば幸甚です。

未来にはばたく奨学生たち -あおぞら奨学基金の今 東日本大震災から10年  -今、私たちにできることとは
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