東日本大震災支援

2023.09.12

生徒たちの手紙で知る被災地の"今"

 全青協と関係2団体が運営している「あおぞら奨学基金」では、東日本大震災で被災した東北三県にて、経済的な貧困状態にある家庭の子どもたちを対象に、月1万円、年間12万円の返還義務のない奨学金を供与しています。
 今年度も、被災地域の公立高校や各県の教育委員会等を通じて奨学生を募集し、新規に87名の奨学生を採用することができました。
 私たちが支援を続けている低所得世帯のご家庭の多くは、ひとり親世帯、特にシングルマザーの家庭のお子さんです。申請書類には、こうした家庭の切実な事情がつぶさに記されています。
 ひとり親家庭で経済的にも、時間の上でも余裕がないことに加えて、「家計を支えている母が病気になり働けない」、あるいは「祖父母に介護が必要となったため母が長時間働けず、生活が逼迫している」という状況は、よく手紙に書かれています。また、両親がそろっていても、「東日本大震災で家や、自営業の職場が全壊あるいは半壊しており、ローンの返済もあるため10年以上経った今でも収入を安定させることができない」というご家庭のお話も、たいへん多くなっています。
 ある学校からの推薦文には、「(生徒は)普段からあまり栄養が摂れておらず、学校の活動中に簡単に足を痛めてしまっている」という記述がありました。そのように、生活のあらゆる面で余裕が持てない中、生徒たちは、自分のためだけではなく家族のために、アルバイトに励んでいるのです。
 昨今は世界情勢の影響から食料価格なども急激に上昇しており、こうしたご家庭を直撃しています。一人でも多くの子どもたちが、それぞれの可能性をもとに夢に向かって進んで行けるよう、私たちは可能な限りの支援を継続的に展開してまいります。
 今後とも、困難な状況にある子どもたちのよりよい毎日のために、多くの方からのご支援、ご協力をお待ち致しております。
※お問い合わせは全青協03-3541-6725まで

あおぞら奨学生 新規採用者からの手紙

学びの選択肢が増える喜び
この度は、奨学生として採用していただきありがとうございました。私の家は、東日本大震災で自宅と両親の仕事場が被災しました。現在も復旧途上のため家計は苦しく、今まで習い事や塾に通うことができず、さまざまなことを工夫しながら学んできました。
 そのため、奨学金を頂けることになり、教材を購入したり、塾に通ったりするなどの選択肢が増えてとても嬉しいです。資格の取得や、博物館に行くこと、大好きな本を読むことにも使わせていただきたいです。目標である大学進学を目指して、無駄にしないよう大切に活用したいです。(宮城県・Kさん)


アルバイトを減らせそうです
奨学生に選んでいただきありがとうございます。私の将来の夢は看護師です。患者さんに丁寧に寄り添えるような看護師を目指して、専門学校への進学を目指しています。しかし、私の家は母子家庭で、妹には持病と重度の障がいがあり、介助が必要なため母はフルタイムで働くことが難しい状態です。
 私は母に負担がかからないようにアルバイトをしており、勉強に時間を割けないことが悩みでしたが、奨学金をいただけることで、アルバイトの時間を減らし、以前よりも多くの時間を勉強に充てることができそうです。ご支援に感謝いたします。(福島県・Aさん)

※手紙の内容はプライバシーに配慮して再構成しています。

旅立ちの春を迎えた奨学生 -あおぞら奨学基金の今 能登半島地震被災地子ども支援開始!
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