東日本大震災支援

2012.03.10

ヴァイオリンミニコンサート&移動子ども会

全青協では、全青協会員寺院の檀信徒を中心に結成された洞源院叢林舎の皆様に地元にてコーディネーター役を務めていただきながら、石巻市内の10ヵ所以上の仮設住宅や集会所を巡回、毎週水曜日と土日を中心に移動ハーブティサロンによるお茶会を開設しています。

3月10日はそんな催しの一環として、お茶会にあわせてミニコンサートと子どものプレイルーム作りを行いました。コンサートにて演奏していただいたのは、仙台フィルハーモニー管弦楽団所属のヴァイオリニスト大友靖雅さんと、仙台市内を中心に活躍しているピアニストの後藤奏枝さんです。全青協のスタッフも歌で参加し、トークを交えながらコンサートは華やかに進みました。
この日、会場となった渡波第二仮設団地の集会所では、午後の早い時間から住民の皆さんが集まり、香り高いハーブティーやオーガニックコーヒーを楽しんでいます。飲み物とともに音楽を味わい、隣の人と語らいながら、会場の皆さんは各々リラックスした様子で過ごしていました。

コンサートは、どこかで誰もが耳にしたことのあるようなクラシックの名曲からTVでおなじみの曲など、さまざまなジャンルの曲が演奏されました。アンコールの童謡「ふるさと」が奏でられると、会場中が一緒に歌い、ふるさとへの思いが一つになる感動的な瞬間もありました。

また、同じ宮城県民である大友さんの被災地への思いは強く、大友さんの控えめながら思いのこもった励ましの言葉に、うなずきながら聞く多くの人の姿がありました。
またプレイルームでは、おもちゃに囲まれて子どもたちがご満悦の様子でした。おじいちゃん、おばあちゃんに連れられてやってきた小学校低学年までの子どもたちは、ここが思い切り遊べる場所だと認識すると、それまでのよそいきな様子を一変させ、スタッフを相手に、思う存分子どもらしさを爆発させます。

ある一人の男の子は、少々乱暴なふるまいが目立っていましたが、その子に付き添って遊んでいたスタッフは、「乱暴な感じだけれど、反面、すごくかまわれたい、自分を見て欲しいと大人の気を引きたい様子が見て取れた」と、後に語っていました。普段は東京で児童擁護施設の職員として勤務するそのスタッフは、短時間のかかわりの中で子どもから色々なサインを受け取ったようです。

自分の気持ちを、大人のように自由に表現する術を持たない子どもたち。お茶会など、大人への絆作りと孤立防止の機会を設けていく一方で、今後も子どもたちに対するこころの居場所作りをすすめていきます。
また、全青協ではこの春より他団体にも協力を呼びかけ、就学困難な状況にある高校生を対象に、里親制度の形態を適用した奨学金制度をスタートさせる予定です。

宮沢賢治の夢―3.11からの再生― 新緑の中
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