災害緊急支援

2018.12.15

西日本豪雨支援ーー災害時のトラウマ・グリーフケア講座を開催いたしました。

「災害時は多くの方がお寺に逃げていらっしゃいました。避難者のお世話に疲れ私自身もうつ状態になっていました」
 2018年7月に発生した西日本豪雨災害により、一時避難所となった真備町のお寺の女性は、ご自身のトラウマについてこのように語りました。
 西日本豪雨については夏以降報道されることが少なくなり、現在ではすでに過去のことになっているかのような印象さえ受けます。しかしながら、同災害では全国で二百人を超える方々がお亡くなりになり、いまだ行方不明の方もいらっしゃいます。被災各県では多くの方々が避難状況にあり、一日も早い被災地の復興が望まれています。
 全青協では災害発生後から現地調査を始め、物的な支援に加えて被災された方々の心の支援に努めてきました。

◆ 復興の進まない被災地

 岡山県倉敷市真備町では51人の命が奪われ、いまだ多数の方々が避難状況にあります。全青協では、ご家族を亡くされた方々、トラウマを抱えた子どもたちのこころの支援のため、10月1日に倉敷市内において「災害時のトラウマ・グリーフケア講座」を開催いたしました。当日は真言宗御室派青年会の方々をはじめ、倉敷市、総社市の被災したご寺院の関係者20名にご参加いただきました。
 岡山県は「晴れの国」と呼ばれ、自然災害を経験したことがこれまでほとんどなかったそうです。その意味で7月の豪雨災害は、まさに青天の霹靂であったことでしょう。被災者も支援する側も、何をしたら良いのかまったく分からない状態が続いたといいます。
 また、愛媛県においては大洲市の鹿野川ダムの放流によって3000世帯余りが浸水し、逃げ遅れた4人の方がお亡くなりになりました。西予市では野村ダムの放流によって5人がお亡くなりになっています。宇和島市では土砂崩れなどによって11名が命を落としました。
 被災した地域一帯の家屋のほとんどは、いまだに居住できる状態には戻っておらず、被災した方々は親戚の元に身を寄せたり、仮設住宅や借り上げ住宅(みなし仮設)でトラウマを抱えながら不安な日々を送っています。
高齢者世帯では再建を断念し、住み慣れた地元を後にせざるを得ない方々も多数いらっしゃいます。

◆ 信頼できる第三者による支援


 全青協では愛媛県仏教会の協力を得て、10月30日(火)に松山市内においても2回目となる「災害時のトラウマ・グリーフケア講座」を開催しました。
当日は全青協会員をはじめ県仏教会の会員の方々や心理職にある行政の関係者30名の方々にご参加をいただきました。参加者の中には、大洲市と西予市でお檀家さんを川の氾濫で無くしたご住職方もいらっしゃり、ビニールに包まれたご遺体に対面した時の心境などについても吐露していらっしゃいました。
 災害は人の命や物を奪うばかりではなく、人の心の中に大きなトラウマ(心の傷)や複層したグリーフ(悲嘆)を生じさせるものです。被災された方々は程度の差こそあれ、生涯にわたってそれらを抱え続けていかねばなりません。そのトラウマやグリーフを少しでも癒していただくためには、信頼できる第三者による支援が必要となります。
 全青協では、今後も定期的にトラウマやグリーフについて理解していただく講座を開催しつつ、講座を受けていただいた方々と共に、継続的に被災された方のこころの支援に当たっていく予定です。
また子どもたちに対しては、地元のご寺院のご協力を得て、引き続き子ども会活動を中心にイベントも織り交ぜながら、彼ら彼女たちのこころのケアに当たってまいります。
 全国の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い致します。 合掌

※本事業は「赤い羽根『災害ボランティア・NPO活動サポート資金』」助成事業です。

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「災害時のトラウマ・グリーフケア講座」開催(倉敷市)
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