ぴっぱら国際児童基金

2009.04.19

子どもの笑顔と出会う旅 インドの支援現場を訪問するスタディーツアー

カルカッタ(CSP)

デリー経由でカルカッタに入った私たちは、協働するNGO「カルカッタソーシャルプロジェクト(CSP)」を訪れました。ここはフリースクールや保育所、孤児院・職業訓練など幅広く活動しています。

「ここをクリックするとね・・・」3年前に訪れた際にはIT技術を学んでいた少女たちが、今では自分たちでホームページを作成していました。「これが私のサイトなの!」と画面を見せてくれた少女の笑顔は輝いていて、感心する私たちの様子を見てとても嬉しそうでした。

翌日、支援している子どもたちが私たちに会うために学校に集まってくれました。以前訪れたときよりも大きくなった子どもたちが、笑顔と大きな瞳で出迎えてくれました。

ひたむきなまなざしで 成績が優秀で、上の学校に進学できたという子どもが何人もいました。彼らももし親の理解がなく、貧困に喘ぐ環境のままだったら、とても進学できなかったのです。支援を受けるようになったことで、みな安心して学べるようになったと言います。

とはいえ、子どもたちに話を聞くと、中には「家では食事が食べられず、ここで出る昼食が頼り」という子もいれば、身寄りがなく、近所の人の世話を受けて路上で暮らす子もいます。実状を知るにつけ、支援の必要性を改めて実感するのでした。

サポーターの方々も、実際に子どもと会って話す中で、ただ「子どもがかわいいから」だけで漠然と支援するのではなく、本当に彼らの未来のために何かをしなくては、と改めて感じているようでした。

カルカッタ(チャイルドライン)

CSPの子どもたちと別れ、私たちはカルカッタでチャイルドラインをコーディネートするNGO「CLPOA」と現場で活動するNGO「CINIASHA」を訪ねました。

インドは、子どものための電話であるチャイルドヘルプラインがとても充実しています。今回は、そういった活動の見学も目的の一つでした。

「子どもの声に耳を傾ける」という日本のチャイルドラインとは少し違い、インドや諸外国のチャイルドラインの多くは、子どもを助け、子どもの権利を守る「ヘルプライン」という側面が強くあります。子どもだけでなく大人も電話をかけることができ、児童労働や虐待に遭っている子どもの情報を通報します。それを受けてNGOが警察とも連携しながら子どもを救出に行き、シェルターで保護するという、一貫した支援活動を行っているのです。

CLPOAとCINIASHAのスタッフ 「時には、私たちの活動が理解されていなくて、保護のために子どもを連れて行こうとしても、近所の人などに誘拐などと誤解されることもありますが、多くの人がさまざまな形で協力してくれています」

「子どもたちが元気になって、シェルターから出て行くときが一番嬉しいですね」と語るスタッフ。

真摯な表情がとても印象的でした。

ベナレス(シャンブナート・シン研究所)

その後、マザーハウスや寺院を訪問してカルカッタを後にした私たちは、ブッダガヤで大菩提寺と日本寺を参拝し、ベナレスへ向かいました。

聖地とされ、インド有数の大都市でもあるベナレスにはさまざまな人が集まります。その中には、ブータン・ネパール・バングラデシュなどから「メイドの仕事がある」などとだまされたり誘拐されたりして連れてこられ、売春や過酷な労働を強いられている女性や子どもたちもいます。彼女たちを救出し、保護する活動をしているNGOの人に話を聞くことができました。

路上で暮らす 売春や児童労働を強いられている子どもや女性の中にはそこを脱出する人もいますが、行く当てのない彼らは駅やガンジス河のほとりで路上生活を余儀なくされています。政府による保護施設があるにはあるのですが、定員オーバーや建物の老朽化など状態が悪く、「牢屋のようだ」とNGOの人は表現していました。

彼らはベナレス近郊の、お釈迦さまが最初に説法をした地サールナートに土地を借りていて、そこにきちんと子どもや家族にカウンセリングをし、自立を支援する新しい施設をつくりたいと語ってくれました。

サールナート(ダルマチャクラ)

ダルマチャクラヴィハーラ サールナートでも、支援している子どもたちと会うことができました。現地で再得度した日本人僧侶の後藤惠照さんが運営するダルマチャクラスクールの子どもたちです。

カメラの前で緊張する顔。すましてポーズをとった顔。授業の途中に出てきてくれた彼らとゆっくり話すことはできませんでしたが、どの子も自信と誇りに満ちた顔で写真に納まっていました。

デリー(PRAYAS)

PRAYASのシェルターで 旅の最終地・デリーでも、チャイルドラインの活動をしているNGO「PRAYAS」を訪問しました。

このNGOは海外のNGOや現地の警察・政府・大学とも連携して、全国56ヶ所のチャイルドラインと情報交換をしながら、チャイルドラインとシェルター、学校や職業訓練を中心に活動しています。活動分野はカルカッタと同様ですが、インドで2番目に大きな組織というだけあって活動や組織の規模が大きく、250人いるスタッフのほとんどが有給職員という話には驚かされました。

光と影の中で

飛行機が遅れたり飛ばなかったり、「やっぱりインドだなあ」と感じる反面、街や空港が整備されていたり、携帯電話を持つ人がどこでも見られるなど、発展するインドも垣間見た旅でした。しかし、その発展の陰で、バス代も出せず毎日何キロも歩いて学校に通う子どもがいるのです。

強い光があれば、それだけ濃い影が落ちるものですが、子どもたちがその暗闇に取り込まれないためには、違った角度から光をあてていかなければならないのだと、帰りの機上、窓の外に広がる満天の星空を見ながら考えていました。(N)

パンを待つ子どもたち―インド・サールナートに生きる―
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