海外スタディツアー

2001.02.18

第2回 インド交流の旅  -インドで自分を見つけよう!!-

  • 【日程】2001年2月10日(土)~2月18日(日)
  • 【企画】学生ボランタス&全青協
  • 【後援】インド政府観光局/読売新聞社/インド航空
  • 【主催】(株)大陸旅遊

ボランタス舎代表 面本純誉

「ブッブー!」「パラリラ、パラリラ!」
絶えず鳴り響くクラクションの大音量、「だいたい」左を通っている車、信号や横断歩道なんてあってなきが如しの横断者。ここは人も車もごったがえしたインドの中のインド、カルカッタ。
首都ではないし、生活水準もそんなに高いわけじゃないけれど、インドで最も物価が安く、そのため多くの人がここカルカッタに集う。その人々がみんな、「まぁいいじゃん、まぁいいじゃん」
と生活している。道行く人たちもみんな、なんだか楽しそう、カルカッタはそんなインド臭さの充満した街だった。

青空教室で学ぶ インドの子どもたちは幸せだなぁ、と今回のツアーで何度もそう思える場面に出会った。
カルカッタの道端で青空教室を見たときは、子どもたちも教えている先生もとても楽しそうで、見ている私たちも楽しくなって、 「勉強って本来こういうもんだよなぁ」 と、しみじみ考えさせられた。
日本で楽しく勉強している子どもが、果たしてどれほどいるだろうか。インドと日本の国民性の差はこの辺にあるのかもしれない。

インドは発展途上国だ。しかし、発展途上国だからこそ、エネルギーがある。ここ数年でインドはソフト産業においては日本を越えた、といわれるほど急発展を遂げている。 カルカッタでも、カルカッタ・ソーシャルプロジェクト(現地NGO)の援助をうけてパソコン教室をやっていた。生徒は十代後半の女の子たちが約十名。
彼女たちは、「将来パソコンの先生になって、技術を次世代にも伝えていくんだ」 という夢をもって授業を受けている。
そういった明確な夢があると、やはり授業にも熱が入るしのみこみも早いだろう。 パソコン教室はまだまだ始まったばかりだが、彼女たちの今後の活躍には期待大である。

「交流の旅」

これが今回のスタディーツアーのサブタイトルで、インドの人々や子どもたちと様々な交流を通して異文化を知り、そして自分たちを振り返ろうというのが主旨であった。
ハンカチ落としをしたよ
その交流の第一回目にあたるのが、カルカッタ・ソーシャルプロジェクト運営の小学校。そこでは、学年ごとに日本の遊びを通じて交流会をしたわけだが、「楽しく遊びたい」という気持ちに国境はなくて、言葉の壁を越えて楽しく過ごせた。
インドの子どもたちは好奇心旺盛で、失敗を恐れずチャレンジする精神を持っていた。それは今回が遊びだったから、というだけではないように思える。
子どもに最も影響を与えているのは大人だ。だから、子どもは大人の鏡、とも言われる。
子どもが遊びに対して好奇心旺盛なのは日本も同じだろうが、果たして大人はどうだろう。子どものように無邪気に遊ぶことに抵抗を感じない大人は日本には少ないのではないか。インド人は、大人も失敗を恐れずチャレンジする精神を持ち合わせているように感じられた。その中でガンジーが生まれ、マザーテレサが生まれたのだと思う。

カルカッタを抜けて、ガヤー、ベナレスを経由し、そしてデリーへと寝台列車で向かった。
インドの列車に「定刻通り」という言葉はない。予定より早く着くこともあるし二・三時間遅れることも珍しくない。ガイドさんの話で
「ある日、列車が時間通りぴったりに着いたので、乗客が驚いて運転手に贈り物を持っていったら「一日遅れなんですよ」と言われた」
なんていう話が笑い話になるほどの国だ。
いつ着くか分からない、という状況は自然と人の心を広くする。日本では二・三時間どころか、列車が五分遅れただけで、乗客は殺気立っているようだ。約束の時間に遅れてしまう、などの理由でピリピリすると心に余裕はなくなる。
「しかたないものはしかたない」
インドの大きさの理由はここにもあるようだ。

デリーで盲学校を見学した。敷地はかなり大きく、様々な教室で様々な事を教えていたり、職業訓練もやっていた。
敷地内はバリアフリーが行き届いていて、過ごしやすくなっているのだけれど、一歩敷地外へ出ると歩道も車道も危険が満ちあふれている。職業訓練をして技術を身につけても、完全に一人で生きていくことは難しい。現に乞食以外で障害者は街中で見かけることはなかった。
インドの大きさがあれば、そんな障害者も安全に暮らせる環境をつくることは難しくないと思う。どんな人でも幸せに生きていける国だと感じたので、きっともっと暮らしやすい国になっていくだろう。

このインドスタディーツアーにおいての私個人の目的は、
「インドを体にしみこませる」 だった。
そしてそれを実践しているときに一番強く感じたことは、
「インド人は本当の意味で純粋で素朴なんだ」 ということだった。 カルカッタからベナレスへの途中で見た夕陽 信号や横断歩道を無視したり、外国客にお土産を法外な値で売りつけたりっていうのも、素直に純粋な気持ちからきているのだと思う。日本をはじめとする先進国の人々が偽善を振りかざすのより、よっぽど人間味にあふれている。 最初に書いたが、人々がみんな 「まぁいいじゃん、まぁいいじゃん」 と、大きく広い心を持って生きている。その生き方は人をゆるす生き方だ。みんなが人をゆるし、認めながら生きている。 天国から地獄まであると言われるインド。しかし天国にいる人も地獄にいる人も、その境遇を恨むだけでなく、そこに確かにある幸せを感じながら生きているように思えた。
何をしている人も、どこにいる人も、なんだか楽しそう。私にはそう見えた。
インドから私はたくさんの数珠の他に「まぁいいじゃん」精神と「ここにも幸せが」精神を土産として持って帰った。

大きなインド。
私もいつかまた、あの国へ還るだろう。

訪問した主な施設

in カルカッタ

  • マザーハウス/プレムダン/カルカッタソーシャルプロジェクト

in ブッダガヤ

  • 日本寺菩提学園

in サルナート

  • ダルム・チョービル・ヴィドゥヤー・マンディール・ジュニア・ハイスクール

in ニューデリー

  • フォスタープラン関連施設

参拝した仏跡など

  • ブッダガヤ(お釈迦さまが悟りを開かれた成道の地)
  • サルナート(鹿野苑とも言う。お釈迦さまが最初に説法をした初転法輪の地)
  • ベナレス(ヒンドゥー教最大の聖地。ガンジス河が流れる)

交流会をたくさんやりました!

子どもとの交流会

現地の子どもたちと楽しく遊んで、日本の歌や踊りを覚えてもらおう。

学生との交流会

ディスカッションを通じインドと日本の考え方の違いや共通点を考えよう。

盲学校での交流会

インドと日本の障害者を巡る環境について、それぞれの意見交換をしよう。

療養施設

ボランティア活動を通じ、患者さんや各国のボランティアとふれ合おう。

わやわや行って来ました!!

第2回のツアー参加者は総勢17名。10代から?0代までの幅広い年齢層が集まってインドを旅し、2月18日午後、無事成田に帰ってきました。 いろいろな面で「さすがインド!」を実感しながらの旅でした。
今回参加していただけなかったみなさんも、また次の機会には、ぜひ一緒にカルカッタでチャイを飲みましょう!
ではまた。ナマスカール!

第1回 インド教育福祉施設視察&仏跡参拝ツアー-子どもたちのために今何ができるのか?- タイ・ミャンマー 
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