寺子屋ふぁみりあ

2014.07.17

ひきこもる人たちの気持ち ~支援を巡る最近の状況~

7月3日の寺子屋ふぁみりあは、昨年に引き続き、ジャーナリストの池上正樹さんをお招きして、「ひきこもる人たちの気持ち ~支援を巡る最近の状況~」とのタイトルでご講演いただきました。2014_08_01.jpg

池上さんのもとには、連載されているインターネットの記事を通じて、主にひきこもり状態にある当事者からの相談メールが毎日のように寄せられています。

ひきこもり状態にあるご本人は、どうして良いのかわからない中で生活が困窮しており、それをくい止めるには社会の力が必要になってきていると、池上さんはおっしゃいます。

また「ひきこもり」は、失業などがきっかけで人脈、情報がなくなり、社会から孤立してひきこもらざるを得ない状況に陥ることだと池上さんはおっしゃっています。そして、「これ以上傷つけられたくない」と自分を防御する手段としてひきこもるのであり、他人に迷惑をかけたくないと思い、あきらめの境地に至った人たちだと池上さんは感じるそうです。

支援を巡る状況については実例を挙げながら、ご本人の状態や思いに対して、支援側とはミスマッチが起こっているとのお話がありました。
特に、実際は40歳以上の人が多いのにもかかわらず、「ひきこもり」の公的支援は39歳以下が対象で、就労を目的とした支援が中心となっていることから、実態に即していないと池上さんは強くおっしゃいます。また地方では、支援の環境自体が整っていないところが多いのが現状だそうです。 

池上さんが取り組んでいらっしゃるイベントのご紹介もありました。一般の会社員も参加し未来のことを語り合う場フューチャーセッション「庵(IORI)」や、ひきこもり経験のある人が先生になって家族、支援者、専門家、一般の人に講義をするという「ひきこもり大学」などを継続的に実施しているそうです。
寺子屋ふぁみりあ参加者の方のご感想には、自分の話は簡潔にしながら相手の話に共感を示すという対話のルールをご家庭でも参考にしたいという声や、ひきこもり大学を受講してみたいなどの声がありました。

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本当のしあわせ 長期化する「ひきこもり」へのアプローチ
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