正力松太郎賞
2025.04.10
第49回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!
全青協が主催する「正力松太郎賞」は、1976年に創設された表彰事業です。仏教精神に基づき、日曜学校・子ども会など青少幼年の教化活動に長年取り組んでこられた方々、また、文学・音楽・美術・演劇・スポーツ・福祉といった文化・社会活動を通して教化活動に顕著な業績をあげた個人・団体を、毎年顕彰してまいりました。
これまでの受賞者には、詩人の坂村真民さんをはじめ、後進にも広く影響を与えた仏教者・団体が数多く存在しています。
4月9日、「第49回正力松太郎賞」の選考委員会が開催され、仏教界や各界で活躍されている選考委員各氏により、今回は本賞に藤田佳子さん(淑徳大学教育学部客員教授・パネルシアター作家)、奨励賞には中野浄昭さん(大分県、浄土宗浄泉寺住職)が選出されました。
さらに、特別賞として吉岡秀人さん(特定非営利活動法人ジャパンハート最高顧問・小児外科医)と、公益社団法人三宝莚国際交流協会(理事長:善光寺本坊大勧進貫主、栢木寛照師)の1氏1団体が選出されました。
正力松太郎賞 本賞
藤田佳子さん(淑徳大学教育学部客員教授・パネルシアター作家)
藤田佳子さんは、1977年より視聴覚教材「パネルシアター」を通じて、仏教教育と福祉活動を実践してきました。パネルシアター創案者・古宇田亮順さんのもとで研修を重ねた藤田さんは、国内のみならず、アジア諸国や中南米でもパネルシアターの導入活動を進め、特別支援教育分野への展開にも取り組んでいます。
2004年のスマトラ沖地震の際には、スリランカの幼児教育施設や仮設キャンプを訪れ、非常時の子どもたちがひと時不安を忘れ、笑顔になれる時間を提供しました。2011年の東日本大震災後には「パネルシアターキャラバン」として被災地を巡回、奉仕活動を行うとともに、学生の指導援助にもあたっています。
正力松太郎賞 奨励賞
中野浄昭さん(浄土宗浄泉寺住職/大分県国東市)
中野浄昭さんは、大分県国東市の浄泉寺に育ち、祖父、父から受け継いだ子ども教化の活動を継承、推進してきました。浄泉寺は「地域の寺子屋」として、1950年代から子どもたちへ「農業体験」を提供したり、50年以上にわたって夏休みのラジオ体操を行うなどしてきました。
現在では小学生を対象とした1泊2日の「子ども信行道場」や「写経体験」、各種ワークショップを定期的に開催し、子どもを取り巻くさまざまな社会の課題に目を向けながら、地域に根差した活動を実践しています。
正力松太郎賞 特別賞
吉岡 秀人さん〔ジャパンハート東京事務局 東京都台東区〕
(特定非営利活動法人ジャパンハート最高顧問・小児外科医)
吉岡秀人さんは「医療の届かないところに医療を届ける」という信念のもと、1995年よりミャンマー等で無償の医療活動を続けています。2004年にはジャパンハートを設立。本年3月に起きたミャンマー大地震においても、自らも震源近くの病院で被災しながら、現地で救援活動を行いました。
公益社団法人 三宝莚国際交流協会〔事務局 滋賀県大津市〕
(理事長=善光寺本坊大勧進貫主・栢木 寛照 師)
公益社団法人三宝莚国際交流協会は、1978年より、サイパン島で慰霊と平和をテーマとした青少年交流活動を行ってきました。1982年からはサイパン島の青少年を日本に招く相互交流も展開しており、国際的な視野を持つ青少年の育成に尽力するなかで、戦争の記憶を風化させず、若い世代に平和の尊さを伝えていく活動を行っています。
選考委員会では、いずれの候補者のお取り組みも甲乙付け難く、今年も白熱した討議がなされました。9月29日には東京都内で表彰式と祝賀会が予定されています。
活動者それぞれのご活動に敬意を表し、顕彰させていただくと共に、多くの仏教者が受賞者・候補者の皆様と協働していただくことを念じております。