ネット依存

夏休み! 子どもとインターネット

最近、電車に乗ると、乗客の7〜8割がスマートフォン(スマホ)やゲーム機などの画面を眺めています。こうしたメディア機器の急速な普及は、いまや大人だけでなく子どもにも広がっています。

しかし、大人の知らないところで、子どもたちが有害な情報に触れてしまう危険性が増しています。子どもに近づこうとする見知らぬ大人と接触してしまう可能性も増えました。もうすぐ夏休み。子どもにとって安全なインターネット(ネット)やメディア機器との付き合い方を考えてみましょう。

アクセスの制限をかけよう

まず大切なのが、ご存知のように「フィルタリング」という機能を利用することです。スマホやゲーム機、音楽プレーヤーなどにこれを設定することによって、有害な情報に触れることがないようにアクセスを制限してくれます。しかし、駅やファストフード店などで無料で利用できる「無線LAN」の回線を用いたりしてネットに接続する
場合には、この機能をすり抜けてしまう場合もありますので注意が必要です。心配な場合には携帯電話会社等に相談してみるのもよいでしょう。

ネット・ゲーム依存を防ぐ

ほかに夏休みの心配事といえば、ゲームやネット、ラインなどを長時間やりつづけてしまうことではないでしょうか。

休みだしまあ、いいか......と親も思いがちですが、放置してしまうとその習慣を長い間ひきずることがあります。特にゲームは、ネットを介して多人数が同じゲームに参加する「オンラインゲーム」が主流であるため途中でやめづらく、また映像もリアルで趣向を凝らした内容であるために、現実の世界よりもゲームの世界に魅了されてしまう子どもたちが続出しています。

子どもたちをゲームやネットの依存から守るためには、「親との約束」が大切になってきます。その方法をこれからご紹介しましょう。

まず、親子で「話し合い」をします。なぜそれらが楽しいのか、たくさんするとどうなるか、心や体への影響はどうなのか、ということです。

そして親の心配や不安を伝えながら、「そうならないためには約束をつくろう」と提案してみましょう。話し合いながらノートなどに、「ゲームは一週間合計で3時間以内」「ネットをしない日を一週間に3日以上つくる」など、確認しながら書き出していきましょう。

次のステップとしては、約束が守れなかった場合のことを決めます。約束を破ったら「イエローカード」が出されること、それが3枚たまると「レッドカード」が出されてしまうこと。そして、「チャンスゲーム」をすれば、イエローカードが消せることなどを説明します。チャンスゲームの内容は、「一週間いつもより1時間早く起きること」や、「一週間家族と食後にトランプをすること」など、子どもの生活改善に役立つことや団らんの機会を増やすことなど、自由に決めてみて下さい。

そして「レッドカード」の際の罰則も決めましょう。たとえば小学校高学年であれば一か月間の使用禁止など、厳しく対応します。これは依存を防ぐためです。

この「約束」にまつわるプロセスには、親子で話し合うことが多く含まれています。一方的な禁止は子どもが反発したくなるもの。話し合って、ゲーム感覚で取り組んでいくのがよいでしょう。

この方法は、高校生でも、たとえばスマホ依存を防ぐ上でも有効です。成長に合わせて時々の「契約更新」もよいでしょう。

夏休み、たまには親子でテレビを消して、ろうそくの灯だけで食事をしてみたり、家族で夜の散歩に出てみたり――。画面を見つめるよりも楽しい時間を、たくさん発見できるかもしれません。
参考文献:『ネットに奪われる子どもたち』少年写真新聞社