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■仏教アントレプレナー養成講座 〜参加者の感想

曹洞宗 久保田永俊

 私が僧侶になると心に誓ったのは、幼稚園の時です。なりたいではなく、なるです。僧侶になると固い信念を持ち、現在に至ります。

 子供の頃お寺へ観光に行き、自分の体よりも大きいスケッチブックに、道端のお地蔵さま、石仏、観音さまなどを描いていました。

 いつか仏さまと関わることをしたいと、大きな夢を持ったのも、この頃だと思います。

 今では一僧侶として、世相を見るようになったのです。「お寺は、どんなところなのだろうか、僧侶は何をする人なのだろうか」世間の人々は、葬式や法事しかしない人だと思っていることでしょう。しかし、私はそういう風に考えていなかったのです。

 私の抱いている僧侶としての人物像は、行基さま、良寛さまを考えています。ところが現代において、お寺や僧侶が日常、何をしているのか分からない。僧侶の周りに人々の姿が、あるいは活動が見えてこないのです。「これがお寺なのか、僧侶なのか」と私は非常に悩みました。時には、僧侶を辞めようと思ったこともあります。ですが、決して諦めませんでした。「諦めるのは、いつでもできる。しかし挑戦するのも今しかない」と、再度心に喝を入れたのです。

 自分に喝を入れてから、人々の様々な求めに応じられる、お寺や僧侶を目指そうと考え動きだしました。

 ちょうど私の考えと合う企画があったのです。それが「仏教アントレプレナー養成講座」でした。様々な分野の諸先生から学ばせて頂きました。宗派という枠組みではなく、大きな仏教として、お寺という概念に固執せず、地域社会等の求めに応じてお寺の活動を創造する考えが必要なのだということです。

 どのプログラムも一つ一つ良かったのですが、その中でも自己理解テスト、気づきのワークショップが印象に残っています。

 実際に受けてみて僧侶といえども、私自身本当に自分の心の中までは分かっていませんでした。「自分を知らない僧侶に、人々に何をもって伝えることができるのだろうか」と、改めて考えさせられた瞬間でした。

 心理テストでは統計ではあるが、目に見える数字として判断でき、内省ではもっと奥深く自分の幼少時代からの心の中まで遡ることができました。

 これを終えたとき、すがすがしさが残ったのは言葉では言い表せません。自分を知らなければ、人々の悩みや苦しみを聞くことすらできないのではないでしょうか。

 僧侶やお寺は葬式、法事だけでなく、益々世間の人々のところへ赴かなければならないと考えてます。様々な人々が共に集い、共に楽しみ、笑う。悲しい時は共に泣く。生きることは楽しいという考えを持ち、人々の中にあるお寺を再構築する時代が来たのだと参加し学習しました。「新たな考えを持ったお寺が必要なのである」と。